よぉ。『俺、えいじ』だ。

テキスト小ネタを書く、底辺芸人兼ゲーム実況師

水泳の終わりと中学の始まり。

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僕は小太りだが、アザラシぐらい泳げる。
小学生のときにスクールに通い続けていたからだ。


こんばんは。俺、えいじ。だ。

今日はひろとという男の話をしようと思う。
僕がよく遊ぶ地元の友達4人のうちのひとりである。


よしき(ゲームを握って輝いていた、いつかの彼。 - よぉ。『俺、えいじ』だ。)


やすたつ(サボり上手 と 僕の手元には届かないコントローラ - よぉ。『俺、えいじ』だ。)

 

こいけん(優しきアニメサイコ。 - よぉ。『俺、えいじ』だ。)


ひろと

これからよく話に出そうとしている人物を今回で説明しきれるので
次回からはとても気が楽だ。


ひろととは僕の小学校~高校時代の友人である。
今は地元の市役所で働いている。


大学生のときも自宅通いだったため人生で1回も最初の村から出たことがない。
ずっとマサラタウンに住んでいる。

顎がしゃくれ、目がぱっちりして いて、声が高い男だ。
花王の月に似ている。
花王の月が声高いか知らんけど。

そしてひと回り大きいグレーのパーカーを着ていた。
これをカッコイイと思っているらしい。
俺と同じくらいの身長(168cm)で痩せ型なのにLサイズを着る。

 

 

可愛い子でもちょっとキツイのに花王の月がしている萌え袖はドギツイ。
袖から少しだけ出ている指がとても男だ。


上で小学校からの友人と書いてあるが、ひろとと学校が一緒だったのは中学校からである。
小学生時代はスイミングスクールで一緒だったので仲良くしていた。


僕は近くのスイミングスクールに幼児のときから小6まで通っていた。

今はだいぶ泳ぐのが得意でバタフライでザッバザッバ進めるのだが、当時は伸びるのが遅い生徒だった。


ウチのスイミングスクールは水慣れクラスから始まり、1級~14級まである。曜日ごとの各級のクラスは10人程度だった。
1級からクロールの練習が始まり、4級に進む頃には25mをクロールで30秒程度で泳げるようになる。
週一 60分の授業で月末のテストに合格すると上の級に進めるようになるという制度だ。


いつも合格できた日の帰りは母親がご褒美でセブンティーンアイスを買ってくれる。
これがとても楽しみだった。
いつも嬉しくて帰りの車で食べた。
水からあがってすぐにアイスをむしゃむしゃいくので級が上がるたびにお腹をこわした。

バカだから腹痛になろうが“今”食べたい。

 

 




僕は小4の頃6級あたりでひろとと同じクラスになった。同じ学年ということもありすぐに仲良くなった。

このスイミングスクールには指定のブーメランパンツがあるのだが、ひろとはなかなか買い替えずお尻が軽く透けていた。

生地もシルクのようになっている。まったく嬉しくない。

6級に上がったのは僕の方が早くてそこから抜かれつ追いつきつつで8級になった。
8級をクリアするとバタフライまでの4泳法がマスターされる。
9級からは速さを追求する選手コースだ。

自分もひろともここでやめる予定だった。



小6の秋頃、なんとなく今回のテストで合格だろうというとき

「今日、合格すると中学まで別れるねぇー。」

みたいな会話はなんとなくしていた。

今回の25mバタフライのテストも全員終わり、みんな目を洗って、シャワーを浴びた。

この曜日の8級のメンツ、先生が揃ってあとは結果を聞くばかりであった。
ひとりづつ名前を呼ばれて先生から短く結果を聞かされる。いつも短く

「合格!」

とだけ言われるものが2割程度
不合格と改善点を短く話されるものが8割という具合であった。










僕は今回も不合格だった。あとちょっとだったのに…
来月は合格するかな。




ひろとはこの月で受かった。

とても喜んでいた。

この日をもってしばらくひろととはお別れである。

僕は周りがすこし引くぐらい号泣した。パンツ一丁で。

「お"め"て"どー!!」

と連呼していたらしい。目眩がしてあんま覚えていない。
どうせ中1で会うのに。


ひろとは尖ったアゴでケラケラと笑っていた。

親も迎えにきているのでスクールの受付でこの日は別れた。


母親は目を腫らして僕が出てきたから合格したもんだと思っていたらしい。

不合格だったのに母がこの日はアイスを買ってくれた。

今思うと粋だなぁと感じる。そしてしっかりお腹をこわした。絶好調だ。


成長が僕より早いため仲の良い子はみんないなくなってしまった。

次の週を考えると少し憂鬱だ。







 

 











「よぉ。えいじが合格するまでもうちょっとだけここにおるわぁ。」


翌週、海パンに着替えて集合場所に行くと普通にひろとがいた。

カッコよすぎて先週よりも泣いた。

周りの知らんやつらは2週連続でヤバイやつがいると思っただろう。

先週、ひろとは家に帰るまでに今回の合格を無しにしてもらうよう母とスクールを説得していたのだ。



金もかかるし何ヶ月もひろとに居させるわけにはいかないので猛練習した。

ひろとは一度は合格しているので気楽なもんだった。

翌月ひろとと僕は揃って合格して、しばらく別れることになった。

半年後に中学で再会した。


 

そのグレーのパーカーやっぱダサいな。

 

 

 

 

僕は小太りだが、アザラシぐらい泳げる。

 

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あごはツクンツクン。髪はクルンクルン。