よぉ。『俺、えいじ』だ。

テキスト小ネタを書く、底辺芸人兼ゲーム実況師

サボり上手 と 僕の手元には届かないコントローラ


 

人間が5人も集まるとどうしても相対的に色々な優劣ができてしまう。


単純にルックスが整ってるやつ。
性格が良く、人付き合いのうまいやつ。
勉強ができず、偏差値の低いやつ。
運動神経が悪くスポーツが苦手なやつ。
それは相対的に出てしまうものなので仕方がないものである。






そんな相対性とは一切関係なく「やすたつ」という男はひどい。
みんなで何かの準備をしているときにパッと見ると平気でパーラメント吸ってる。
なんなんだコイツ。良いもん吸ってんな。

やすたつは中学~高校時代の友人で1個前に書いた、
よしき(ゲームを握って輝いていた、いつかの彼。 - よぉ。『俺、えいじ』だ。)
こいけん、ひろと、やすたつ、僕の5人組で良く遊んでいた。
24歳になった今でも良く呑みに行ったりしている。


5人集まればうまくサボるやつがひとりはいるもので、やすたつは直球ド真ん中のそれだった。

160km/hは出ている。サボり界の大谷翔平

今日はそんなやすたつの話をしようと思う。
細かい話まで書くと手から出血してしまうほどあるので名刺代わりの話をいくつか書こう。


例えばみんなでバーベキューをしようとなった場合、準備、片付けは基本手伝わない。
この「基本」というのがやらしいところで指摘されたときに言い返せる程度には済ますのだ。


「うちわで少し火を扇ぐ」  


程度はする。
こうされると指摘した方がみみっちいような空気になる。神業だ。


年1回くらいのペースで僕たち5人は旅行に行くのだが企画、買い出しにはまず参加しない。

だが旅行当日は皆勤賞でやってくる。しかも遅刻して。起きろ。
楽しみにしていたのだろう、とても高いテンションでキラキラの瞳でやってくる。

目のハイライトをサインペンで塗ってやろうか。

しかしやすたつはこの5人の中で1番異性にモテる。身長は180cm以上で顔も良く根明かだ。

これがやすたつの「やすたつ 」に拍車を掛けているのかもしれない。

許さん。やすたつとはそんな男だ。

 



高校生の頃、僕たち5人は良く『大乱闘スマッシュブラザーズX』で遊んでいた。

任天堂の人気キャラクターが勢揃いでみんなでシバキあうバトルロワイヤルなゲームだ。

最大4人で遊べるゲームでWiiのソフトなのだが、ゲームキューブのコントローラでプレイしていた。

 

学校から1番近かったため、遊ぶ時はたいてい僕の家に集まっていた。
家に着くとまず僕は飲み物の準備をする。
そうすると、よしきとこいけんがテキパキとゲームを立ち上げていく。

その隣でひろとは僕が出した大きいサイズのポテチとかをパーティ開けしたりしている。

やすたつは今開いたポテチをひと口食べてガラケー糸通し(ゲーム)をしていた。


僕の家の4つのコントローラは中古で買ったまぁまぁ使いふるされたもので、

ひとつは完全にアナログスティックが反応しなくなっていた。

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ゲームキューブのコントローラ

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アナログスティックはここ。




なので僕は新しくひとつ買い足しておいた。
つまり、

中古で使い古されたコントローラ×3
新品のコントローラ×1


があることになる。

この新品の感度ビンビンなコントローラで遊べると思うとワクワクしていた。

ポテチからみかんに興味が移行していたはずのやすたつはいつの間にかノーマークの新しいコントローラを握っている。
僕たち4人は完全に作業に没頭していて虚をつかれた。


僕たち5人に対しゲームが最大4人プレイなのでどうしてもドベが交代していくかたちになる。
飲み物を出したり、家の事を色々していて出遅れた僕は初めの試合は見ているだけだった。
しかし1試合3分程度でおわるのですぐにコントローラはまわってきた。
4位だったこいけんと交代だ。こいけんからコントローラを受け取った。

白熱してきて高校生らしくゲームしながらギャーギャーと騒ぎはじめた。
次はひろとが4位だったのでまたこいけんと交代した。





----1時間ほどして気がついた。やすたつは1回も4位になっていない。

よくよく考えるとおかしい。このゲームの純粋な強さを比べると

 



僕>よしき≧ひろと>やすたつ>こいけん

である。少なくともこいけんがいない試合は4回はあった。
そこで自分が「見」にまわったときはやすたつのキャラクターの動きばかり注目して見るようにしてみた。













全然闘わねぇこいつ。

 

うまくこいけんとひろとが殴り合っているのを悟られないように眺めていて、生き残ったフラフラのひろとをシバきまわしている。黒田官兵衛か。きさま。

常にギリギリのところで3位をかすめ取りずっとプレイし続けている。
結果俺の手元には永久に新しいコントローラはまわってこない。
みかんイジった手でアナログスティックこねくるな。

このゲームは基本大人数で遊ぶゲームなのでひとりのときに起動することはほとんどない。
よって全体の8割はやすたつがあのコントローラを握っていたと思う。
今は遠くからでもだいたい見分けられる。

アナログスティックのあたまがみかんで黄色くなっているからだ。
食べるのに手間取るみかんをむしゃむしゃいけるのはヤツだけだ。


 


中古で買ったコントローラと新調したコントローラの差がなくなってきたころ、やすたつはあまり選り好みをしなくなった。

 


買ってから2年ほどして『新品』のコントローラは手元に帰ってきた。

「帰ってきた」というか初めまして。僕が主人だ。よろしく。

 

 


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nana

みかんの白い皮の部分残すな。片付け面倒なんだよ。